そけいヘルニアの疫学

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そけいヘルニアの疫学

腹壁ヘルニアは、発生規序により先天性と後天性に分けられ、発生部位では外ヘルニア(壁側腹膜からなるヘルニア嚢に腹腔内臓器が包まれて腹壁裂隙から腹腔外に脱出したもの)と内ヘルニア(腸回転や手術の癒着により生じた腹腔内の間隙や裂孔部などに臓器が入り込んだもの)に分けられます。鼠径ヘルニアは体壁外に腸管が脱出するため外ヘルニアに分類され、小児に生じる先天性のものと成人に生じる後天性のものがあります。小児の鼠径ヘルニアは腹膜鞘状突起の開存が原因であり、鼠径輪は脆弱になっていない事が多いです(よってその手術はPotts法によるヘルニア嚢の高位結紮となります)。成人では鼠径管を構成する筋膜が脆弱になり、内鼠径輪が開大する事が鼠径ヘルニアの原因となります。その治療のために鼠径管後壁を補強するBassini法が行われ、現在はメッシュを用いた治療が主流となっています。
鼠径ヘルニア発生のリスク因子として、高齢 / るいそう / 反対側のヘルニアの既往 / ヘルニアの家族歴 / 腹圧のかかる仕事や運動 / 前立腺摘出術の既往 / 慢性的な咳 / 腹膜透析 / 喫煙 / プロテアーゼインヒビターの服用 / 腹部大動脈瘤 などが言われております。

そけいヘルニアの現状

腹壁のヘルニア疾患の中で鼠径ヘルニアは最も大きな割合を占め、全体の約85%となります。次いで腹壁瘢痕ヘルニア(5.3%)、臍ヘルニア(3.3%)が続きます。鼠経ヘルニアは外科領域で最もメジャーな手術の一つであり、全国で月間11,000件の手術が行われています。小児期と50歳以降に発生のピークを認め、小児鼠径ヘルニアの発生率は約3%といわれており、男女比は約8:1となります。一方で成人の鼠径ヘルニアの発生率に関する詳細なデータはありませんが、全国の鼠径ヘルニアの手術は年間約15万件行われており、男性の27%、女性の3%が一生のうちに鼠径ヘルニアに罹患すると言われています。

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