そけいヘルニアの治療法

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そけいヘルニアの治療方法

そけいヘルニアの治療方法

鼠径ヘルニアは腹壁の筋肉の隙間から内臓が腹壁の外に飛び出す病気です。腹壁の構造が弱くなっていることが原因であるため、薬物での治療はありません。しこりを常に圧迫して戻った状態を維持しても、飛び出す空間(ヘルニア嚢と言います)が自然閉鎖することはなく圧迫しなくなった瞬間にしこりは復元されます。現状鼠径ヘルニアを治すには手術するしかありません。鼠径ヘルニアの手術には組織を縫合して修復する方法と、メッシュを敷いて修復する方法があります。

組織縫合法

組織縫合法

古くから行われている手術法で、わが国でも少なくとも1920年代から行われていたと言われております。Marcy法、Bassini法、iliopubic tract法、McVay法、Shouldice法など様々な修復法が行われて来ました。メッシュを使用する術式の普及に伴い現在では行われている施設は非常に少なくなりました。またこれらの術式は原則すべて鼠径部切開法で施行します。

メッシュ法

臓器が脱出する筋肉の隙間に、手術用の糸を編み合わせて作ったメッシュを敷いて腹壁を強化する方法です。組織を縫合して修復する方法に対して、組織に緊張をかけずに修復するという意味でTension-free法とも言われます。再発率が低く成績が安定するため、現在成人の鼠径ヘルニア手術はこのTension-free法が主流です。当院もメッシュを使用した鼠径ヘルニア手術を行います。

鼠径部切開法

鼠径部に5㎝程度の皮膚切開を行い、直接肉眼で見ながら腹壁の弱い部分を修復する方法です。前方アプローチと呼ばれることもあります。古くから行われており、今も多くの施設で行われています。局所麻酔や腰痛麻酔でも行うことができます。

内視鏡(腹腔鏡)手術

腹部に内視鏡(カメラ)と手術器具を挿入して行う手術です。カメラで至近距離から観察が行えるため非常に精緻な手術が可能です。腹腔鏡は手術に関わる全ての人で術野を共有できるため、手術そのものの技術発展に大きく貢献したと言われています。また創も小さく、術後早期の回復に優れるということも腹腔鏡手術の特徴と言えます。私達はこの腹腔鏡手術の特徴から日帰り手術との相性は良いと考えます。

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