手術後の合併症について

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そけいヘルニアの合併症

そけいヘルニアの合併症

鼠径ヘルニア手術は古くから行われている安全な術式ですが、合併症がないわけではありません。多くの合併症は術後1週間以内に起きます。これらの合併症の発生をできる限りなくすとともに、起きた合併症に対して適切に対処していくことが我々の使命です。

漿液腫(しょうえきしゅ)

鼠径ヘルニア等のヘルニアの手術では、腹壁の隙間をメッシュ等で覆うことで治療を行います。この際メッシュ外側にはもともと、臓器が飛び出していた空間があります。この空間は通常閉鎖していきますが、開いたまま残ると内部に水がたまり漿液腫という状態になります。治療としては内部の水を身体の外から針で刺して抜く事で空間をつぶして閉鎖させます。何回か穿刺が必要になることもあります。また体表から触れることもあり、再発を心配されてこられる方もいます。ヘルニアで無ければ、押したり横になっても消失しませんし、超音波をすると内部に液体が貯まっていることが確認できます。

出血

全ての手術で起こり得る合併症です。多くは24~48時間以内におきます。鼠径ヘルニア手術では大きな血管を切ることはありませんので、大出血をおこすことは極めて稀なことです。小さな血管からの出血であれば、術野に血液が貯まり塊を作った状態(血腫)になります。多くの場合はそのまま吸収されて消失します。必要な場合には血腫を除去する事もあります。

感染症

創を作った部分は皮膚本来のバリア機能が低下しているため感染を起こしやすいです。創が赤く腫れているなどは感染を疑うサインです。また鼠径ヘルニアの手術ではメッシュを挿入するため、感染には再診の注意を払います。メッシュ等の人工物についた細菌は抗菌薬治療では改善しないことも多く、メッシュ除去を行わなければならない場合があります。

疼痛

通常術後の疼痛は一時的なものですが、術後3週間を経過しても疼痛が持続する場合は慢性疼痛と言います。慢性疼痛は程度の差はあるものの、10%前後の方で起きると言われています。原因は術操作が加わる部分にある神経だと言われています。鎮痛薬によりコントロールが得られる場合も多いですが、中には疼痛改善の為の手術が必要になる方もいます。

当院の合併症への取り組みについて

すべての合併症はまず起こさない事が大切だと考えております。感染に関しては腹腔鏡が有効であるという報告もあるため、当院では原則腹腔鏡手術を行っております。最新の止血器具も取り揃え、出血対策を行っております。また疼痛を起こさない取り組みとして、神経を意識した術操作、メッシュ展開を行っております。また定期的な症例検討を行う事で常に手術をブラッシュアップするよう心掛けております。

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