- HOME>
- 子どものそけいヘルニア
子どものそけいヘルニア
外鼠径ヘルニアには発症のピークが二つあります。65歳以上の方が発症しやすいし手術件数も多いですが、0-4歳の乳幼児も年間1万人以上が手術を受けています。
外鼠径ヘルニアは生まれつき持っている方がいます。胎生期に起きる精巣の下降や、子宮円靭帯の形成に伴い、腹膜が引き攣れて空間ができます。この腹膜の引き攣れは多くの場合は閉鎖して腹膜象状突起とよばれる索状物になりますが、開いたまま残ることがあります。開いたまま残った腹膜の引き攣れに臓器がはまり込む事で外鼠径ヘルニアが発症します。
小児の鼠径ヘルニアはほとんどが外鼠径ヘルニアです。
臍ヘルニア
臍は臍動静脈が通っていた場所であり、筋肉に隙間があります。この隙間が大きいと臍部に臓器の脱出が起き、臍ヘルニアとなります。臍ヘルニアは生まれつきであることが多く、乳幼児期に最も手術されることが多いです。臓器が脱出して戻らなくなること(嵌頓)が問題となる他、整容面から手術が行われることもあります。
子どものそけいヘルニア治療
いずれのヘルニアも治療は手術となります。子供の手術は安全確保のため原則全身麻酔で行われます。鼠径ヘルニアは診断がつけば手術されている事が多いです。1歳未満で発症した場合は自然に治ることもあるとされていますが、脱出した臓器が戻せない(嵌頓)状態になると緊急で手術が必要です。
臍ヘルニアは飛び出しが小さければ多くの場合まずは経過観察や圧迫などを行います。治らない場合には1-2歳ごろに手術を行います。