診療を行っていると若い方の鼠径ヘルニアが案外多いことに驚きます。
「小さなころから足の付け根が腫れているが押し込むことが出来る。」
「大学の頃に気づいたが股関節の部分が膨らんでいることがある。」
など、見た目は飛び出しがあるものの、痛みなどの症状がないため放置していたという方です。
疫学に関する研究は多数ありますが、手術件数がベースになったものが多く
実際に鼠径ヘルニア(脱腸)になっている方の数を反映しきれていないのではないかとさえ思います。
手術件数に目を向けてみると、10代~40代くらいまでの方の手術件数は他の年代に比べて極端に少ないです。
大学受験、就職、働き始めると休む間もなく、気になるけれども放置している
という方が多いということを改めて実感いたします。
「30代まで必死に頑張ったら40代で花が咲く」
外科医としての大先輩のお言葉ですが、医者に限った話ではなく
皆さまにとっても大事な時期なので気になる鼠径部の膨らみがあってもなかなか時間を割けないのが現状なのだと思います。
時間の無い方にこそ頼ってほしいという思いで始めたクリニックです。
貴重な時間を使って受診いただいた方には、精一杯答えたい所存です。