結論から言うと鼠径ヘルニアは自分で治すのは不可能で、鼠径ヘルニアという診断であれば自然に治ると言うこともありません。
足の付け根、股関節付近の腹壁に筋肉が無く筋膜のみで構成されている部分があります。この部分が膨らんで腹膜ごと腹筋のレベルより体の外に飛び出ている事が鼠径ヘルニアと言う病気の本態です。よく『筋肉の隙間が出来ている』と説明していますが、イメージとしては正解です。
筋肉は鍛えることで太く逞しくなります。一方筋膜は鍛えて強くすると言うことは不可能です。ですので一度出来た鼠径ヘルニアを治すには手術をして人工的に筋膜を張り直すしかありません。この筋膜を張り直す作業がよく我々が説明しているメッシュを張ると言う工程になります。
程度に差はあるかもしれませんが、小さな鼠径ヘルニアでも嵌頓(腸などが嵌りこんで抜けなくなること)する可能性はあります。
ただちに嵌頓するという事は稀だと思います。しかし可能性がないわけでは無いのです。鼠径ヘルニアは、思い立った時に治療してしまった方が良いと説明させていただいている理由になります。
鼠径ヘルニアは治療したいと思った時が、手術のタイミングです。