皆様こんちには、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
この記事では「鼠径ヘルニア日帰り手術に大事なこと」についてご紹介します。
鼠径ヘルニア(脱腸)とは?
体は筋肉という壁の覆われていますが、一枚板の筋肉ではなく、何枚かの筋肉が立体的に壁を構築しています。
鼠径部では筋肉に隙間が空いている箇所があります。
その隙間から腹膜が袋状に皮膚の下まで脱出するのが鼠径ヘルニアであり、袋の中に腸管が出ると患者様は「鼠径部の膨らみ」として感じます。
典型的な症状は、立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。
鼠径ヘルニアは放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。
嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。
この状態になってしまうと、腸閉塞と腸管虚血を起こし、腸が壊死してしまって腹膜炎に至ります。
(右側)小腸がヘルニア門から体壁外へ脱出している状態
鼠径ヘルニアの治療は手術が必要
鼠径ヘルニアは自然に治ったり、自力で治すことはできません。治療には手術が必要です。
腹膜がヘルニア門から袋状に伸びたヘルニア嚢を処理するだけでは再発するリスクが高く、成人の鼠径ヘルニア手術は基本的にはメッシュという人工の網を筋肉の隙間に当てる必要があります。
従来は鼠径部を7㎝ほど切開して行う方法が一般的でしたが、現在は腹腔鏡手術で行うことも可能になりました。
入院手術と日帰り手術
腹腔鏡手術は身体への侵襲(ダメージ)が小さいため、術後回復が早いです。
麻酔技術の進歩も相まって、現在では入院せずに日帰りで行うことが可能となりました。
日帰り手術と入院手術を比較した場合、以下の点で異なります。
1.時間的コスト
入院は数週間から週ヶ月を要し、当然ですがこの期間は仕事や通常の社会生活を営むことが出来ません。また、入院する時間を捻出するための準備も大変だと思います。
日帰り手術であればこの時間を節約できます。
2.金銭的コスト
病気の治療費は、手術や薬剤だけでなく、入院費用も加わります。国民皆保険と高額医療費制度がある日本では患者様の自己負担額の上限が決められています。
しかし入院するとアメニティや部屋代などの自費部分も馬鹿にならない数字です。そして何より仕事ができない期間が生じるため収入が減るリスクがあります。
日帰り手術と入院手術では支払う保険診療分の費用は同じですが、それ以外の費用は安くなります。
3.院内感染のリスク
近年では衛生環境も良くはなりましたが、それでも院内感染はよくみられます。
病棟内の器具やシーツに住み着いた菌もあれば、他の患者様から感染症を貰う(インフルエンザやコロナ)可能性も生じてしまいます。
日帰り手術ではこれらの病原体に曝露するリスクが低減します。
4.術後譫妄のリスク
術後の痛みや患部の違和感が、入院という普段と異なる環境と相まって、術後に譫妄になる方がいます。術後譫妄の一番厄介なところは、認知機能障害に発展する可能性があるということです。
手術当日に帰宅できれば、譫妄のリスクは殆ど生じません。
逆に、日帰り手術のデメリットはマンパワーが少ない事です。
日帰り手術の多くはクリニックで行われていますが、医師と看護師による手術が多いです。
もちろん鼠径ヘルニアを専門とする医師が執刀しますが、術中のトラブルへの対応力は限度があります。
安全な日帰り手術
低侵襲であることは日帰り手術の最大のメリットですが、安全性が保たれる、という大前提が必要です。
当院は消化器外科専門医と内視鏡外科技術認定医の2人体制で手術を行うことが可能なクリニックです。
加えて、開業地選定ではビルの1階という条件にこだわりました。
なぜなら手術中に万に一つ意外な事態になってしまったとき、クリニックが道路に面しているのであれば救急車のストレッチャーがそのまま入ることが可能だからです。
もちろん、ミスのない手術を心がけることが最も大事ですが、患者様の安全を最重視し、全ての可能性に備えることが医療者の責務と考えております。
鼠径ヘルニアの治療については一度ご相談ください
当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。
消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。
鼠径ヘルニアは鑑別疾患も多いので「鼠径ヘルニアかどうか分からないけど鼠径部が膨らんでいる」という方も気軽にご相談ください。
平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。
電話やLINEで24時間相談を受け付けております。