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論文紹介:巨大鼠径ヘルニアの修復

2024.09.28

皆様こんちには、大阪うめだ鼠経ヘルニアMIDSクリニックです。

 

本日ご紹介する論文のタイトルは「Giant inguinal hernia repair using standard transverse inguinal incision with mesh. A retrospective case control study」。和訳すると「メッシュを用いた鼠径部切開法による巨大鼠径ヘルニア修復術の後向き症例対照研究」となります。

(PMID:37370017, Google scholarでも見つけれました)

背景

巨大鼠径ヘルニア(GIH)は先進国ではまれな疾患であり、文献も少ないです。症例報告レベルでは、腹部コンパートメント症候群(ACS)を予防するための様々な方法が述べられています。

目的

巨大鼠径ヘルニア(GIH)修復術の経験を記述する事。

方法

2014年~2021年、専門施設で鼠径部切開法+Meshによる巨大鼠径ヘルニア(GIH)修復術を受けた全患者のカルテを後向きに解析しました。手術の要点として、頭低位にする事で、切開前のヘルニア嚢の内容をなるべく減らし、メッシュによる修復を行う事である。通常の鼠径ヘルニアを対照群として比較検討した。

結果

GIH症例58例、対照群は232例でした。平均手術時間はGIH群で125.5分、対照群で84分であった(p < 0.001)。腸切除はどの症例でも必要なかった。院内合併症発生率はGIH群で13.8%、対照群で5.6%であった(p = 0.045)。早期合併症発生率(術後30日まで)は、GIH群と対照群でそれぞれ62.1%対14.7%であった(p<0.001)。晩期合併症発生率も同様であった(p = 0.476)。腹部コンパートメント症候群(ACS)と手術関連死亡はなく、またGIH群では再発は報告ありませんでした。

結論

標準的な鼠径部横切開を用いたGIHに対するメッシュを用いた修復術は安全に実施可能でした。早期合併症は対照群より多いが、晩期合併症や重度合併症の発生率は高くなく、再発もありませんでした。

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