皆様こんちには、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
本日ご紹介する論文は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術の際に使用するメッシュに関する話です。
タイトル「Laparoscopic versus Open Inguinal Hernia Repair in Aging Patients: A Propensity Score Matching-Based Retrospective Study」和訳すると「高齢患者における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術と開腹鼠径ヘルニア修復術: 傾向スコアマッチングに基づくレトロスペクティブ研究」
PMID:37575687(Google scholarでも見つけれます)
目的
腹腔鏡による鼠径ヘルニア根治術は、その低侵襲性の利点から広く普及しているが、高齢者では依然として鼠径部切開法が一般的である。
本研究の目的は、高齢患者における鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術と鼠径部切開法の治療成績を比較することである。
方法
・デザイン:後ろ向き観察研究
・セッティング:2021/1~2022/12
・対象:鼠経ヘルニアの手術を受けた高齢患者
・アウトカム:手術時間、術中出血量、術後12時間の疼痛スコア、術後在院日数、術後合併症
・解析:傾向スコアマッチング(キャリバー0.1, 1:1マッチング)、ロジスティック回帰分析
結果
・マッチングの結果、両群ともに78人となった
・多変量解析の結果
術中出血:腹腔鏡群で少ない OR 0.06 (95%CI: 0.02-0.18, p<0.001)
術後在院日数:腹腔鏡群で短い OR 0.29 (95%CI: 0.15-0.57, p<0.001)
術後疼痛:腹腔鏡群で低い OR 0.28 (95%CI: 0.14-0.57, p<0.001)
術後合併症:腹腔鏡群(6/78) 鼠径部切開法(11/78), p=0.199
結論
腹腔鏡手術の方が手術時間が短く、術後疼痛が軽かった。
COMMENT
腹腔鏡手術の方が術後疼痛が少ない、という結果になりました。
本研究で用いられたpain scoreの測定方法は不明で、術後鎮痛の方法も記載がありません。
局所麻酔、ロピオン、アセトアミノフェン、トラマールなどをうまく併用することで、鼠径部切開法の術後疼痛も自制内に収まるとは感じています。
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