皆様こんちには、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
鼠径部に現れるしこりや痛みは、日常的な軽い症状から深刻な疾患まで幅広い原因が考えられます。
早期に原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
本記事では、「鼠径部にしこりが出来た時や痛みを感じた時に考えられる病気」についてご紹介します。
鼠径部とは
鼠径部(そけいぶ)とは太ももの付け根の辺りを指します。
具体的には左右の足の付け根の溝より内側~恥骨の外側の場所です。
上のイラストで青い点線で囲んでいる場所が鼠径部になります。
鼠径部は胴体と脚の連結部分であり、解剖的に少し複雑な場所となります。ここにしこりを触れた場合、以下の病気が考えられます。
1 鼠径ヘルニア
鼠径部には筋肉の隙間があり、そこから内臓(腸や膀胱)が皮膚の下まで脱出する病気です。鼠径部にしこりを触れたら、まず考えるべき病気です。
2 リンパ節腫大
鼠径部のしこりの形がはっきりとしていて、押すと左右に動き、また圧痛を伴うことがあれば、リンパ節の腫大の可能性が高いです。足の付け根である鼠径部、腕の付け根である腋窩、はリンパ節が多く集まる場所です。リンパ節にはリンパ液が流れ込みますが、細菌やがん細胞をせき止める役割をしています。痛みを伴っていれば、感染症によるリンパ節炎の可能性が高く、無痛性ならがんの可能性があります。
3 軟部腫瘍, 膿瘍
脂肪腫や皮下の粉瘤が鼠径部にできることもよくあります。場合によっては切除した方が良いこともあります。
4 ヌック管水腫
若い女性に好発する病気です。水腫と呼ばれる水の袋ができた状態で、鼠径部の膨らみとして感じます。子宮内膜症と関連することがあります。鼠径部にしこりが出来た場合、まずは鼠径ヘルニアを疑いましょう.
鼠径ヘルニアとは
鼠径部にる筋肉の隙間から内臓が皮膚の下まで飛びだす病気です。
男女比は8:1と男性に多い病気ですが、女性が罹患することもあります。脱腸ともよばれ、30代から徐々に発症率が上がります。
典型的な症状は、立ったり、お腹に力を入れたりすると鼠径部に膨らみが出て、横になると消失します。自然治癒することはなく、市販のヘルニアバンドでも治ることはありません。鼠径ヘルニアの治療には手術が必要であり、ヘルニアの穴を防ぐためにメッシュという人工の網を使います。この網を入れる方法として「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」があります。
鼠径ヘルニアの痛み
鼠径ヘルニアは、痛みなどがなく、違和感しか感じないこともあります。
しかし、鼠径管が拡張される過程や、膨らみが大きくなって(=脱出した内臓が多い)痛みを感じることがあります。鼠径ヘルニアでは内臓が鼠径管というトンネルを通って体外へ脱出しますが、鼠径ヘルニアの発症初期にこのトンネルが拡張されるときに痛みを感じます。この痛みは筋膜が割けることが原因です。
脱出した腸管の量が多くなると、腸管が筋肉の穴に締め付けられることで痛みが生じます。これは腸管が締め付けられることで血流が低下したのが原因です。腸管が出たり戻ったりできる時は問題ないのですが、放置すると、出たっきり戻らなくなる嵌頓(かんとん)という生命に危険が及ぶ状態になる可能性があります。
嵌頓とは
「嵌頓」は文字通り、内臓が飛び出したまま戻らなくなる「嵌まり込んで頓挫する」を表しています。
嵌頓してしまうと、腸管虚血がどんどん進行し、約12時間で腸管が壊死してしまい、腸管穿孔して腹膜炎となり、敗血症に至ります。
また、嵌頓すると腸管の通りが悪くなり、腸閉塞も生じて高度な血管内脱水にもなります。これらの病態により、ショック状態となり、緊急で治療をしないと約24~48時間で死に至ります。このような危険な状態=嵌頓を未然に防ぐのが鼠径ヘルニア手術の最大の目的と言えます。
鼠径ヘルニアは、一見すると軽度な症状に見えることもありますが、放置してしまうと重大な健康リスクを引き起こす可能性があります。
早期発見と適切な治療が肝心です。気になる症状がある場合は、当院にご相談ください。
鼠径部にしこりと痛みを感じたら
当院は大阪駅直結の鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門としたクリニックです。消化器外科専門医と腹腔鏡外科技術認定医による安心安全の腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術を提供いたします。
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