皆様こんにちは、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
鼠径ヘルニアは、特に加齢に伴って発生しやすく、高齢者においても一般的な疾患の一つです。高齢の方が手術を受ける際には、手術そのものへの不安や体力への懸念がつきものですが、近年では技術の進歩によって、高齢者でも安全に日帰り手術が可能となってきています。
今回は、高齢者の鼠径ヘルニアに対する日帰り手術について詳しくご紹介します。
鼠径ヘルニアはどんな病気?
脱腸とも呼ばれる鼠径ヘルニアという病気、股関節の左右の足の付け根の部分が膨らむことが典型的な症状です。その原因は、足の付け根の筋肉の隙間が拡大し、そこから内臓(腸や膀胱)が皮膚の下まで脱出することです。立ったり、お腹に力を入れたりすると患者様は「鼠径部の膨らみ」として感じます。
放置すると徐々に大きくなるだけでなく、「嵌頓」という状態になる事があります。嵌頓とは、文字通り、嵌り込んで、頓挫した、を指します。この状態になってしまうと、腸閉塞と腸管虚血を起こし、腸が壊死してしまって腹膜炎に至ります。時には命に危険がおよぶこともある鼠径ヘルニア、実は高齢男性に多い病気なんです。
鼠径ヘルニアが高齢男性に多い理由
鼠径ヘルニアで腸管が筋肉を通過する穴は、胎生期に体内で作られた精巣が体外へ出る時に通るトンネル(=鼠径管)なんです。この穴は、精巣が通ったあとも精巣を栄養する動静脈や輸精管など機能的な構造物が通ているので、閉じることはありません、。加齢に伴い筋肉が脆弱になり腹腔内脂肪により腹圧が上昇すると、空いている鼠径部の穴から腸管が飛び出てしまうのです。これが、男性高齢者に鼠径ヘルニアの発症リスクが高い理由です。
自然に治ることがない鼠径ヘルニア、放置すると危険です!!
鼠径ヘルニアは自然治癒する可能性はありません。治療するには、腸管が脱出するスペースと脱出する隙間を閉じることが肝要です。ヘルニアバンドなどは一時しのぎでしかなく、根本的には手術を行うしかありません。鼠径ヘルニアは、放置すると嵌頓という危険な状態になります。嵌頓とは、脱出した腸管が腹腔内に戻れなくなる状態で、そうなると腸管は筋肉の隙間で挟まれて虚血になって壊死してしまいます。すべての方が必ず嵌頓するわけではありませんが、次の日には嵌頓してしまう可能性もあります。
また、ヘルニアの出口はあまり拡大しませんが、まれに4㎝以上に拡大した場合は大量の腸管が脱出しても嵌頓しません。
しかし、そうなるとヘルニアの膨らみはどんどん大きくなり、最終的には小児頭大と表現されるよう、股間に小さなスイカをかかえる状態になってしまいます。
鼠径ヘルニアの手術は日帰りで出来る
従来の鼠経ヘルニアの手術は3泊4日の入院が必要でした。現在でも殆どの病院は入院手術しか行っていませんが、実は鼠径ヘルニアの手術は入院が不要なんです。その理由は腹腔鏡手術により低侵襲治療の普及です。腹腔鏡手術は最小限の創で済むため、術後の痛みが少ないえす。また痛みが低下することで術中に使う麻薬性鎮痛薬の量も減らせます。
これらにより、術後は痛みが少ないだけでなく、吐き気も殆どありません。
本日は高齢者の鼠径ヘルニアに対する日帰り手術について詳しく解説しました。
鼠径ヘルニアは、一見すると軽度な症状に見えることもありますが、放置してしまうと重大な健康リスクを引き起こす可能性があります。鼠径ヘルニアは、早期発見と適切な治療が肝心です。気になる症状がある場合は、当院にご相談ください。
鼠径ヘルニアかな?と思う方はぜひ当院にご相談ください
当院は鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門とするクリニックです。鼠径部(足の付け根)のしこりは様々な病気が考えられ、当院では鼠径ヘルニア以外の疾患についても責任をもって鑑別診断や治療を行います。
平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。
電話やLINEで24時間相談を受け付けております。
いつでもお気軽にご相談ください。