皆様こんちには、大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニックです。
医療にもサービス業の側面があります。
本日は、普段の診療でどれだけ患者さんの要望に応えれるのか、についてお話したいと思います。
言うまでもなく、医療において最も大事なのはミスなく治療を完遂させることです。まずは医師がインフォームドコンセント:疾患の状態、その治療を勧める理由、他の治療選択、をきちんと行い、患者さんに理解していただく。次にミスの発生リスクをなるべく減らした治療を行います。そして、その結果を患者さんやご家族にもしっかりと伝えます。
この一連の流れにおいて、最大の治療効果が出るように調整し、苦痛や合併症をなるべく低減させるのが医師の使命と言えます。
しかし実際に治療に面したとき、患者さんが感じる不便や不安は本当に様々で、あとを尽きません。
例えば普段であれば気づかないちょっとした痛みや苦しさも、病気が入院している時であれば「何か大きな合併症の兆候ではないか」という気になってしまいます。
また、治療においては金銭面や時間面での不便が生じますが、それについても予め説明を受けていたら準備や対応が異なります。
診断と治療を受ける際、医師という職業の役割は
1. 全体の流れのコーディネート
2. 情報提供のインターフェイス
3. 実際の治療提供者
と多岐にわたります。
これらの役割をすべて完璧に行うには、何よりも時間が必要です。
最近、若い医師の自死がニュースに取り上げられており、時間外労働が長いことも一因とされています。
私も外科専攻医の時、担当患者が20人の時もありました。
担当患者が20人って多いのでしょうか。
朝
・朝回診前温度版チェック:3分/人×20人→60分
・回診:3分/人×20人→60分
午前
・処置20分/人×4人→80分
午後
・オーダー変更、指示変更:10分/人×7人→70分
・IC:20分/人×3人→60分
夕
・回診:3分/人×20分→60分
・カルテ記載:5分/人×20人→100分
基本業務だけで約8時間。これ以外にも外来と手術があるので、体力的には相当きつかったですし、患者さんの細かい要望には応えられませんでした。
患者さんの要望に余裕をもって応えられるのが担当患者8-10人くらいですが、総合病院ではどうしても業務量が多く、なかなか実現しません。
満足度90%→99%よりも、99%→99.5%の労力の方が大きいです。
本当にベストを尽くし、患者さんの不安や不便を最小限にする事は簡単ではなく、総合病院ではそれが出来ない事にモヤモヤする事も多々ありました。
当院は日帰り手術を行いますが、その性質上、受け入れる患者さんは内科クリニックよりかなり少なく、一人の患者さんに使える時間に余裕が持てます。
想像しうる限りで患者さんの不安や不便を解消できる事は、私たちとしても喜ばしく思っています。